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花粉症

子どもの花粉症の特徴

子どもの花粉症の特徴花粉症の症状は、子どもと大人で大きく変わりません。鼻水・鼻づまり・くしゃみを3大症状とし、目のかゆみや充血なども見られます。ただ、子どもは自分で鼻をうまくかめなかったり、症状を大人にうまく伝えられなかったりと、大人より辛い思いをしているケースが少なくありません。
また、鼻呼吸ができず口呼吸になることで歯並びが悪くなる・風邪をひきやすくなる、睡眠の質が下がり身体の発達に影響するといった危険をはらんでいます。
ご両親がいち早く症状・異変に気づいてあげ、適切な治療を受けさせることが大切です。

こんな症状は花粉症かも…

こんな症状は花粉症かも…

以下のような症状や行為がある場合には、お子様の花粉症を疑い、お早めに当クリニックにご相談ください。

  • よく鼻をすする、くしゃみをする
  • いつも鼻水が出ている
  • 擦るため鼻の下が赤くなっている
  • 鼻をスンスン、ピクピクさせる癖がある
  • 口呼吸になっている、いつも口をあけている
  • 口をモグモグさせる癖がある
  • 目を擦る癖がある、充血している
  • 夜間、いびきをかいている

子どもの花粉症の原因

子どもの花粉症の原因

花粉症の原因についても、大人と子どもでは変わりありません。
スギ、ヒノキ、カモガヤ、シラカバ、ヨモギ、ブタクサなどの植物の花粉がアレルゲンとなり、花粉症を発症します。
より詳しい機序は、以下のようになります。

  1. 花粉が鼻・目から侵入する
  2. 身体が花粉を異物とみなすと、その異物を攻撃するためのIgE抗体がつくられる
  3. その後、再び同じ花粉が体内に侵入した際、IgE抗体と結びつき、ヒスタミンなどの化学物質が分泌される
  4. 異物とみなした花粉を体外へと排除するため、くしゃみ、鼻水、涙などの症状が出る

※花粉が体内に入ったからといって、必ず抗体がつくられるわけではありません。抗体がつくられない限り、花粉症を発症することはありません。

子どもの花粉症と風邪の
見分け方

鼻水や鼻づまりがあることから、保護者様がお子様の花粉症を風邪だと見誤ってしまうということがあります。
ここでは、風邪と花粉症(アレルギー性鼻炎)を見分けるポイントをご紹介します。

鼻水の状態

風邪の場合、黄色っぽくネバネバとした鼻水が見られます。
花粉症では、さらさらとした透明な鼻水が見られます。

症状が強くなる時間帯

風邪の場合、特定の時間帯に症状が強くなるということは基本的にありません。
花粉症では、朝方、昼頃~夕方に症状が強くなる傾向があります。

症状の持続期間

風邪の場合、症状は数日間続き、自然に治まります。
花粉症の場合、アレルゲンとなる花粉が飛散している期間は症状が続きます。2週間以上症状が続く場合は、花粉症を疑います。

他の症状の有無

風邪の場合、発熱、のどの痛み・咳、痰、寒気などの症状が見られます。
花粉症の場合、くしゃみ、目のかゆみ・充血、頭痛などの症状が見られます。発熱するのは稀なケースです。

花粉症と喘息の関係

花粉症と喘息の関係喘息は、アレルギーを原因として気道で炎症が起こり、ちょっとした刺激(冷たい空気を吸う等)に過剰に反応し症状をきたす病気です。症状としては、ゼーゼー、ヒューヒューという苦しい呼吸(喘鳴)、胸の苦しさなどが挙げられます。
そして子どもの喘息の7~9割が、花粉やハウスダスト(ダニ・ペットの毛等)を原因とするアトピー性の喘息と言われています。そのため、花粉症の症状が出ている期間は、喘息の症状も現れやすい・悪化しやすいということが言えます。
花粉症などのアレルギー性鼻炎と喘息が併発している場合には、その両方に対して、適切な治療を行うことが大切です。

子どもの花粉症の治療

※現在スギ花粉症に対する舌下免疫療法の開始量が全国的に不足しているため、薬剤の出荷状況により、治療が開始できないことがあります。
※またスギ花粉症に対する舌下免疫療法について、当クリニックでは初診の方はお受けできません。

抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などの内服薬、点鼻薬、点眼薬などを使用する薬物療法が中心となります。内服薬については、一部年齢の下限があるため、年齢に合った適切な処方をいたします。
あわせて、後ほどご紹介する花粉症対策を行い、症状の軽減や予防を図ります。
その他、当クリニックでは舌下免疫療法にも対応しております。
※抗アレルギー薬などを用いる薬物療法は、花粉が飛散し始めるタイミングで開始することで、飛散ピーク時の症状が抑えられる可能性が高くなります。お早めにご相談ください。

舌下免疫療法

スギ花粉症、ダニアレルギーに対する治療法の1つです。
アレルゲン物質が少量配合された内服薬を舌下(舌の裏)に置き、1分保持して飲み込むという治療です。身体をアレルゲンに慣らしていくことで、症状の軽減を図ります。
スギ花粉が飛散していない時期を含めて毎日内服する必要があり、治療期間は数年以上にわたりますが、抗アレルギー薬の量を減らせる・やめられる、あるいは完治することが期待できます。また、一般的な薬物療法を行う場合と比べて、通院の頻度も抑えられます。
3歳以上のお子様のスギ花粉症・ダニアレルギーの治療として、ぜひ一度ご検討ください。
※舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散が少ない6~11月頃に開始する必要があります。それ以外のタイミングでは開始できません。

皮下免疫療法

特定のアレルゲンを含むワクチンを皮下に注射し、徐々に用量を増やすことで、体をアレルゲンに慣れさせるものです。初期治療期間として、週に1回の頻度で数回の注射を行い、その後は月に1回ほどを継続していきます。皮下免疫療法は、長期的な効果が期待でき、アレルギー症状の軽減や薬剤の使用頻度を減らすことが可能です。ただし、治療開始は医師の判断が必要で、重篤な副作用(アナフィラキシーなど)もあるため、慎重な観察が求められます。特に小児の場合、適切な体重や年齢を考慮した上で治療を行うことが重要です。

子どもの花粉症対策

一般的な薬物療法や舌下・皮下免疫療法に加えて、あるいは花粉症の予防として、以下のような対策が有効です。

屋外で付着した花粉を
家の中に持ち込まない

玄関ドアを開ける前に上着をはたく、上着のまま家の奥まで入らない(玄関でハンガーに吊るす)、帰宅後すぐに手洗いとうがいをする・お風呂に入るといったことで、花粉の自宅への侵入を防ぎましょう。
特に寝室には、花粉を持ち込まないように気をつけてください。

花粉の飛散情報をチェックする

花粉の飛散時期が近付いたら、飛散情報をチェックする習慣を身につけましょう。
飛散量が多い日には外出を控える、洗濯物は部屋干しする(少ない日に外干しする)、窓をあけての掃除を控える(飛散量の少ない日に掃除をする)などの対策をすることで、症状の軽減や予防が可能です。

免疫力を高める生活習慣

栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動により、免疫力を高めましょう。食事においては、アレルギー症状や感染のリスクを抑える乳酸菌を含むヨーグルト・飲料、粘膜を強くしてくれるビタミンを含むフルーツを意識して摂ることをおすすめします。