心雑音とは
聴診器で心臓の音を確認すると、「ドクッ、ドクッ」という音が聞こえます。
これは心臓が全身に血液を送り出す時の音です。
心雑音とはこの音に雑音が混じっている状態を指します。
心雑音が聞こえる場合には、生まれつき心臓に異常がある(先天性心疾患)可能性を考慮して、心雑音の原因を調べる必要があります。
検査方法は主に心臓超音波検査を行い、原因を特定します。
一方で、心臓に異常がなくても心雑音が聞こえることがあります。
これを機能性雑音と呼びます。機能性心雑音と診断された場合には、特に治療は必要ありません。
健康なお子様であっても、30%以上で機能性心雑音が認められます。
心臓超音波検査は、痛みや被ばくの一切ない検査です。どうぞ、安心してご相談ください。
検査により治療が必要と判断された場合は速やかに専門施設へご紹介いたします。
このような症状の時はご相談ください
以下のような場合には、心臓に何らかの病気、異常が起こっている可能性があります。
- 母乳やミルクの飲みが悪い
- 体重がなかなか増えない
- 呼吸が速い
- 寝ていても肩で呼吸をする
- 息をすると胸の中心が凹む
- 動悸、息切れ、呼吸困難
- 顔色がすぐれない
- よく汗をかく
心雑音の原因として考えられる病気
お子様の心雑音は、多くは害のない機能性心雑音です。
しかし、稀に以下のような病気を原因として、心雑音が見つかることがあります。
当院では、心臓超音波検査などによる各疾患の診断を行っておりますので、定期検診などでお子様の心雑音を指摘された場合には、一度ご相談ください。
先天性心疾患
生まれつき心臓に構造異常がある疾患の総称です。中でもよく見られるものが、心室中隔欠損症です。心臓の壁に穴があいているため心雑音が生じます。全体の50%は自然に穴が小さくなる、閉鎖するため特別な治療は必要ありませんが、穴のサイズが大きい場合は専門施設での治療が必要になります。ほかにも様々な先天性心疾患がありますので、心雑音を指摘された方、気になる症状がある場合は一度ご相談ください。
心臓の病気以外の原因
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、あるいは貧血、妊娠、運動・発熱を原因として心雑音が発生することがあります。
貧血、運動・発熱は、心拍(心臓の拍動)を普段より強くします。これにより心臓の弁の開きが悪くなり、心雑音が聞こえます。
心臓超音波検査などの検査で心臓の異常が見つからない場合には、血液検査によって貧血の有無、甲状腺ホルモン・甲状腺刺激ホルモンの値を確認します。
当クリニックで行う検査
超音波検査
超音波の跳ね返りを読み取り、リアルタイムで内臓・血管の形態を確認できる検査です。
痛み、被ばくは一切なく、お子様でも安心して受けられます。
心雑音が認められる場合には、超音波検査によって心臓の弁の状態、血流の速度・向きなどを調べます。心臓弁膜症、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症などの病気の診断が可能です。
心電図検査
心臓が発する微弱な電気信号を読み取り、波形にして表示・記録する検査です。
心筋症、狭心症、心筋梗塞、不整脈などの発見に役立ちます。
心雑音や心雑音を原因とする病気と直接の関係はありませんが、上記疾患が疑われる場合、また除外する必要がある場合などに実施されます。